Last Attraction
SURFACE正真正銘最後のアルバム、Last Attractionが届いた。届いてしまった。
3月に解散の知らせを聴いて以来ずっと未だにその事実が自分の中で現実感を持たないでいるんだけど、このアルバムを聴いていてもやっぱり全く現実味のない話に思えてならない。
このLast Attractionの収録曲は非常にずるい。デビュー以来リリースされたシングルの表題曲を、全てそのリリース順に収めている(あとCD未収録曲が5曲)。しかも、UniversalMusic時代とSonyMusic時代(+未収録曲)をそれぞれ別のディスクに入れた2枚組、というSURFACEファンならリスト見ただけで泣くレベル。
このアルバムを1曲目から順番に聴いていると今までのSURFACEの思い出が次々に湧いてくる。確かに一時期パッとしない時期もあったかもしれないけど、ここ数年のSURFACEは実にパワフルな楽曲を数多くリリースしていた。実質最後のアルバムとなったInvitation No.6なんて本当にすごい。PhaseやFateの頃(個人的にこの頃がSURFACE絶頂期だとそれまでは思っていた)に勝るとも劣らない洗練された曲の数々。誰だよSURFACEが既に死んだバンドなんて言った奴。まだまだやれる。これからきっと起死回生のチャンスを登りつめてまたスターダムに。そんなことを思った。
でもそのSURFACEは解散してしまう。もう決まったことだ。ラジオに出た椎名くんはおどけて笑って、それでもはっきりと「解散します」と言い切った。もう決まったことなのだ。
去年、夏休みが始まったばかりの海の日に逗子の音魂で「来年の音魂にもまた出たい!」と言っていた椎名くんは、それを待つことなく2010年6月13日に最後のライブをやってSURFACEは解散すると言った。
帯の「SURFACE解散!!」の文字。封入された解散ライブのチラシ。歌詞カード、最後のページの楽曲製作者一覧の最後に小さく書かれた「SURFACEを支えてくれた全ての方々に感謝!!」の文字。それ以外はあまりにいつもどおりのアルバムで、いっそ帯もチラシもビリビリに引き裂いて捨ててしまいたい。
あー、それにしても本当にずるいよ。1曲目が「それじゃあバイバイ」から始まって、最後の曲「CHANGE」の歌詞のラストに「ゴーイング my 上へ」しようじゃない、なんて書いてあるんだぜ。別れの言葉から始まったバンドに「俺たちはまだ走り続けるんだぜ」なんてこと言われたら、こっちはもう応援せざるをえないじゃない。何も言えない。
解散なんて言葉に現実感を覚えないまま、信じないまま、これからのSURFACEの2人がまだまだこれからも何らかのかたちで音楽活動を続けることだけを思い続けて、6月13日のライブに臨む。