涼宮ハルヒの憂鬱
- 作者: 谷川流,いとうのいぢ
- 出版社/メーカー: 角川書店
- 発売日: 2003/06
- メディア: ペーパーバック
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円環少女と同じように電車の中でしか読んでいないのに、あっちは2週間で、こっちは2日しか経っていない。何故だ。お話の長さも同じくらいだと思うんだけどなぁ。
思うに、円環少女は婉曲表現が多くって、読み直しが何回も発生したということなんだろうな。つまり通学電車に乗っているときのおポンチな頭で本を読むなってことか。
たぶん、最初の自己紹介でハルヒを見て即座に一目惚れ。
冒頭で独白するように、キョン自身が「宇宙人や未来人や幽霊や妖怪や超能力や悪の組織やそれらと戦うアニメ的特撮的マンガ的ヒーローたち(p.5)」を「いるワケねー……でもちょっとはいて欲しい(p.7)」と願っていたわけで。
ハルヒのことを変人だ変人だと言いながらもしつこくハルヒに話しかける。自分自身、そんな変人を求めていたんだもの。それを声高に言えなかったキョンにとって、それを声高に言ってしまえるハルヒはとても魅力的に思えたんだろう。
だからキョンは、なんだかんだ言ってもハルヒのやることなすこと全てに協力するんだよね。コンピュータ部でのPC強奪なんて、キョン本人も結構ノリノリでシャッターを押していたりする。
それに、口では「朝比奈さんを守る(p.83*1)」なんて嘯いているけど、みくるを襲うハルヒを止めたりはしないのも、きっと同じ理由だろう。いや、こっちは下心も混ざっているかもしれないけれども。
逆に、ハルヒはどの時点でキョンを好きになったんだろう。恐らく「あんた、宇宙人なの?(p.14)」の時点ではまだキョンのことは凡百のつまらない男だと思っていた筈。
「曜日によって感じるイメージがそれぞれ異なる気がするのよね(p.28)」ぐらいからちょっとずつ気になるオトコノコにランクアップしていった気がするけど、よく見たらこの直後にハルヒが「あたし、あんたとどこかで会ったことがある?(p.29)」と言っている。
ひょっとしたら劇中でみくるや古泉が言うように、この世界は3年前にハルヒ自身によって作り直されたばかりなのかもしれない。以前の世界でもキョンはうまく立ち回ってハルヒに好かれていたのだろう。それで、世界を作り直したあと、自分の好きなオトコノコ(=キョン)を高校の自分の前の席に座らせたのだ。
なんて乙女チックな少女なんだろう!
結局つまるところキョンくんは極度の照れ屋さんであり、独白調の一人称は全て強がりだったりするんじゃないかなぁと僕は考える。ツンデレ。いや、デレがないからツンツンか。
照れ屋だから「宇宙人や未来人や超能力者に会ってみたい!」なんて言えないし、素直にハルヒに「好きだ」とも言えない。絶対に言えない。
これはそんなキョンくんが少しだけ素直になっていくお話だと思いました。まる。
といったことは、Googleでキーワードを「ハルヒ」にして探せばゴロゴロ出てくるんだろうな、きっと。
*1:「今度あいつが無理矢理朝比奈さんにあんなことしようとしたら、俺が全力で阻止します」