委員長と僕と海と空と大地と性的な意味で呪われし姫君(スタブ)

子どもが見たら目が腐るエントリ。


 白い雲、青い海、灼け付く肌に高まるパッション!
 まさに夏真っ盛りなこの季節。僕と委員長は、日本中で今一番夏真っ盛りな場所、海に来ていた。
 晴れて彼氏彼女の関係なって一ヶ月。初めての遠征デートだ。
「ほらー、早く泳ごうよー!」
 浮輪を抱えた委員長が、波打ち際で大きく手を振っている。ぺたん・すとん・つるんな花柄ビキニ姿が、何だか素晴らしく犯罪的な薫りを漂わせる。
「少し、休んでからにしませんかー?」
「そんなこと言ってたら日が暮れちゃうって。ほら、行こ、行こ!」
「二人とも泳いでたら、荷物どうするんですかー」
「もう! 貴重品はロッカー入れてきたらいいじゃない。いいから、行くよ」
「わっ、ちょ、引っ張らないでくださいよ」
 委員長は朝からずっとこんな調子だ。余程、今日という日を楽しみにしていたのだろう。
 だが。
 僕は、生憎の寝不足。今日という日が楽しみ過ぎて――ついでに健全な男子高生らしい不健全な妄想のし過ぎで――ここ数日の睡眠時間は、限りなくゼロに等しい。
 そんな状態で半時間も冷たい海に浸かっていたら――
「ごめ、委員長、吐きそ……」
「え!? ちょ、ストップ! 田上くんストップ!」
 当然、こうなるわけだった。


 濡れたタオルを額に乗せてパラソルの下に寝そべる僕と、その横で「しょうがないなあ」って顔で笑ってる委員長。申し訳なさで胸が詰まりそうで、とてもじゃないが寝られない。
「すみません、せっかく海に来たのに」
「いいよ、そんな気を使わなくても」
「委員長、ずっと楽しみにしていたのに」
「いいってば。また、元気なときに来よう」
 ある意味、元気過ぎたからこうなっちゃったのだけど。それは彼女には黙っておく。
「委員長。僕はおとなしくしてますから、泳いで来てください」
「田上くん。私はおとなしくしているから、黙って寝てなさい」


「えへへへへ」
「あ、ごめん。なんか嬉しくて」
「だって田上くんの寝顔、かわいいんだもん」
「そだね、正直、ちょっとつまんないかも」
 いたずらっぽく委員長の目が光る。
「だから、キスしちゃおっと」