巨人たちの星
最近(じゃないけど)読んだ本。
巨人たちの星。
- 作者: ジェイムズ・P・ホーガン,池央耿
- 出版社/メーカー: 東京創元社
- 発売日: 1983/05/27
- メディア: 文庫
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前二作と比べると、「はてな?」と思う点が多々あった。全体的に、展開が唐突なのだ。
- 冒頭、いつの間にか懇意になってたハントとリン
- 万能すぎるダンチェッカー
- ジェヴレニーズを問い詰めるカレン・ヘラーのハッタリの内容
- テューリアン(ガニメアン)にしては気性が荒いフレヌア・ショウム
他にもエトセトラエトセトラ。
ドキュメンタリーとしては「星を継ぐもの」が、ドラマ性には「ガニメデの優しい巨人」が、それぞれ素晴らしかった。
「巨人たちの星」は、その両者とはやや毛色の違った小説だった。だのにそれを期待し、肩透かしを食らった形になったため、こんな評価になったのかもしれない。
とまれ、274ページから始まるノーマン・ペイシーとミコライ・ソブロスキンのあの会話があるおかげで、読後感は最高だったけどね。これを読んで、不覚にも電車の中でボロボロと泣いてしまった。
「知り合えてよかったよ、ノーマン・ペイシー。両陣営の間に、地図の色分けには左右されない強い絆があるとわかったのは非常な慰めだ。いつかまた会おう。しかし、もうその日が来ないとしたら……」彼はみなまで言わずに右手を差し出した。
(中略)
見捨てることはできない、とペイシーは思った。何も知らずに死地へおもむく彼を黙って見送ることはできない。
(中略)
「アメリカはやったんだ。中継装置は必要ない。(中略)話し合いは進んでいる。世界じゅうのスヴェレンセンが束になってかかっても、もはや友好を阻害することはできないんだ」
ソブロスキンはじっとペイシーの顔を見つめた。ペイシーの言葉が彼の胸におさまるには長い時間がかかった。やがて、ソブロスキンはゆっくりと、それとはわからぬほど微かにうなずき、どこか遠くを眺める目つきで低く言った。「ありがとう」