落ち物、もしくは頭の弱い俺の儚い望み

参考
maybowjinq:<!ああ、空から「家ではメイド、外では女子高生」な細身でちっちゃくてふとももぱっつんでうなじ綺麗で髪が長くて無口で赤面症な近所のおねーさんが降ってこねーかなー。> 23:22


「尚志くん、行ってらっしゃい」
「あ、ちょっと待って」


 長谷尚志はピカピカの中学一年生。この春に小学校を卒業したばかり。
 津田菜緒は同じく高校二年生。ある日突然に空から降ってきた。それからずっと姉弟のように育ってきた、尚志の幼馴染。
 尚志は何故か、菜緒が降ってきた時のことを、あまりよく覚えていない。が、実際、菜緒は空から降ってきたのは確かだった。
 尚志の8歳以前の記憶に菜緒が登場することはないし、物置には古ぼけた落花生が、しわくちゃのままで突っ込んである。それに、両親も菜緒自身もそう主張しているから、きっとその通りなんだろう、と、尚志は思っていた。両親はともかく、菜緒が今まで尚志に嘘を吐いたことは、一度もない。
 菜緒は本当によくできた娘で、最近では共働きで留守がちな両親と不器用な尚志に代わり、長谷家の家事一切をまかされている。真面目で努力家の彼女の仕事に、妥協の二文字はない。どこから持ってきたのか、菜緒は家事仕事をするときのため、紺のエプロンドレスまでも調達したのだった。
 実の肉親のように育てられてきた二人だが、尚志は密かに、昔から菜緒に恋慕していた。
 多分、菜緒が空から降ってきたのを一目見た瞬間から、彼女に惚れていたのだ。出会いの記憶は既になかったが、ただそれだけは覚えていた。
 だから、だから。
 尚志は今日、小さな冒険に出た。
「ね、菜緒姉、今日は一緒に学校行かない?」
「駄目」
 撃沈。いや、これぐらいで諦めてはいけない。何しろ尚志が中学に上がってから、まだ一度も一緒に登校していない。
 菜緒は、そっけなくはあるが、冷たい女ではない。理由なく断ることはない、筈だ。
「最近、ずっと別々に登下校してる。それに小学校の時は、放課後、校門で待ってくれてたじゃないか」
「もう尚志くん子どもじゃないから。それに、朝は忙しい」
「忙しい?」
「食器の片付け」
 淡々と事実だけを告げる菜緒。だんだんと心が折れそうな尚志。
 ぎゅっと拳を握り、ここが正念場なのだと、自分に言い聞かせる。
「菜緒姉、中間テストで学校半ドンなんでしょ? そんなの、帰ってからでいいじゃない」
「嫌」
 轟沈。握った爪が肉に刺さる。
「……嫌、って?」
「テストは終わりだけど、今日から部活再開だから」
 自分は陸上部のマラソン練習以下ということか。
「……分かった。行ってきます」
「行ってらっしゃい。尚志くん、朝は笑顔、だよ」
 そう言われても、挫けてしまった心はなかなか治らない。ぶすっとした面のまま、尚志は学校に歩き始めた。


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無理やり属性詰め込んだら、頭悪いエロ漫画みたいな文章になってきたのでここで打ち切り。つーか、こんなエロ漫画、実際どこかで見たな。

入れることができた属性

  • 家ではメイド、外では女子高生
  • 細身でちっちゃくてうなじ綺麗で髪が長くて(描写はしていないけどそんな外見だと思いねえ*1
  • ふとももぱっつん(陸上部)
  • おねーさん
  • 空から降ってきた

全部の属性を入れると流石に色々と崩壊しそうだったので、ステレオタイプで使いやすいものや、自分の中での優先度が高い属性を優先した。

*1:無理やり外見描写を突っ込んだらそこだけ浮いてしまったので思い切って削除した。