寄り目

「寄り目」って言って、分かるかな。二点交差法の3D画像を見る時に、左右の目を顔の中心の方に寄せる、アレ。
その寄り目、僕の周りにいる人は何故かみんな、目の前に指を置いたりといった、補助をしないと出来ない。
僕自身は特にそういった補助なしにいつでも好きなときにそれが出来るので、彼らのその言葉が信じられない。
そういう時、いつも、僕は実際にその人の前で寄り目をやってみる。すると、大抵、その人は大騒ぎする(決して黄色い声などではない)。


きっと気持ち悪いんだろうなぁ、という予測は着く。でも、それがどの程度の気持ち悪さなのかが分からない。


そんな話を弟としていたら、こんなことを言われた。
「じゃあ、実際にどれだけキモい顔なのか、自分で見てみたら?」
確かにその通りだ。さっそく、彼に頼んで、携帯のカメラで僕の寄り目動画を撮ってもらった。
で、再生。


あー、素顔が既に間抜けな顔だなぁ。
お、そろそろ問題の、寄り目が始まるぞ。
……うわー。わー。


何だコレは、想像を絶するキモさじゃないか。
まるで三流ホラー映画(苦い笑いしか出てこないようなやつ)だ。
昼間に見てもただキモいだけで済むが、夜道で遭ったら3日はうなされそう。
とにかく、寄り目は封印し、今後二度と使わないと誓った。


余談だけど、この補助なし寄り目が出来る人は眼筋が発達しているらしい。
それなのに矯正視力が0.4以下の僕は、一体その眼筋を何に使っているんだろう。