Re: 北方謙三の本を読んでいると - グロ画像のはてな日記

最近読んだ本。
われはロボット。


SFだと思って読んだらミステリーでした。もしくはプロジェクトX
そんな本。


ロボットに関する話を集めた短編集。
舞台世界はどの話も同じ。あるロボ心理学者がそれまで見聞きしてきたロボットに関する出来事をインタビュアーに語って聞かせる、という形式になっている。


時代が進むとともにロボットは進化してゆき、最終的に地球全体がマシン*1を中心とした擬似生命体になったところで話が終わっている。
そのとき初めて「ロボットが人間を使っている(=人間がロボットに使われている)」という事実が明らかにされる。
が、実は、よくよく読んでみると、それ以前の時代から人間はずっとロボットの奴隷だったのだ。
彼の機嫌を取り、無理をさせず、分かりやすい命令を与えよ。さもなくば、ロボットは決して働いてはくれない。
ロボット三原則は、そのまま翻して人間にも当て嵌められるのだ。
元は「奴隷」を語源としたロボットに人間が使われていたという事実は、皮肉的でにやりとさせられた。


お気に入りの話は「うそつき」。

*1:地球を統括する大型コンピュータ。